There's no place like home.

 誕生日のお祝いの一環として、グランラウンジ銀座のアフタヌーンティーに母と行ってきました。

 

エリザベス女王たちに感化されたピンクのハロウィンだそうな。

 

しょっぱいものが結構多くて、食べやすかったと思います。日本人の感覚でしょっぱいもの先に食べて、甘いものは後にってすると結構死ぬよね、アフタヌーンティー。交互に食べないと。

 

 母に「なぜアフタヌーンティーにこだわる?」と不思議な顔をされますが、これは約7年前に行ったイギリスでの体験があるからです。気張ってハロッズの正式な格式高いティールームでアフタヌーンティーをしたら、結構シャンパンもつけてアフタヌーンティーを楽しむそこそこの年齢の女子たち、まあ40代とかでしょうか、がいたんですよね。誕生日とかのお祝いで何組かいらっしゃいました。ああなるほど、庶民はこうやって非日常を楽しむんだな、と思ったらなかなかいい習慣に思えて、せっかく東京にいるのだし、私も誕生日にはアフタヌーンティーを年に一回開拓しようか、という気持ちになったのです。去年はラデュレでした。

 

憧れのマキシムのナポレオンパイ。大阪の味が勝ってしまった・・・

 

 

 というのは序章で、今回は家について書いてみたいと思います。

 憧れのブロガーさんが過去に読んだ漫画で「プリンセスメゾン」というものを挙げていて、家好きだし面白そうだなと思って読んでみたのです。

 NHKでドラマ化もされたようですが、あまり機微の激しくないお話で、優しい世界だった。誰も人の否定をしない。今の時代の漫画だな、という感じでした。

 

 自分の家を25歳程度で探して買う沼ちゃんに感動しながらも、家って人が出るよなあとしみじみ思い返したのです。

 

 私の例の婚活に励む友人の家に今年の春行ったときは、静かに衝撃を受けたものです。

 人と一緒に座るのが前提の長いソファ、人と食卓を囲むための大きめの机。部屋のメインはその2つでした。

 当たり前に出てくる揃いの食器。トイレに置かれず隠された生理用品。

 彼女は一人暮らしをしたけれども、それでもこの空間はこれから付き合っていく相手を意識した部屋になっているのだな、と感動したのです。そこには彼女の人生が濃く反映されていたから。

 

 対して自分の一人暮らしの部屋を見たとき、ほほーと思いました。

 一人しか座れないヨギボーのクッションソファ。一人分の食卓にしかならないようなチャチな食卓机。自分のインテリア的趣味で真ん中にドーンと置かれたベッド。目立つわけではないけど、使いやすい場所に置かれた生理用品。

 揃いの食器なんてものは、2個あったほうが便利だろうと考えた箸とスープスプーン、ミニボウルぐらい。小皿は二枚ありますが、それも「おばあちゃん泊まりに来たときにお刺身食べるとき必要かも!でも基本一人で使うんだからサイズも種類も違うのにしよう!」と選んだ揃いではない小皿です。

 

 気づいたのは、私はこの家では基本一人で過ごすと考えていることでした。誰かを迎え入れることをあまり考えていない。だってよく考えると、こんなセミダブルのベッドがど真ん中にあるような家、付き合いたてかそれ以下の男性がきたら気まずすぎる・・・遊びに来るのは女子限定だな・・・みたいな感じだし。

 

 ただ一つ自慢できるのは、色々と引越しを繰り返して学んだり、アメリカのインテリアが大好きで色々参考にしている私は割と機能的な家を作っていること。動線の綺麗な、機能的かつ好みの飾り付けをした理想的な私の家となっていることです。キッチンの収納なんか、すごいぞ?20代の一人暮らしではなかなかお目にかかれないほどの機能的だぞ?

 

 よく考えたら東京に越してきて妹との家を作ったときは、「人と共に暮らす」という家を初めて作った経験でしたね。自分だけでなく、妹と暮らすにはどのようにしたらお互い快適か。それを模索しながら作った家でした。そんな家に私はできてたかな。

 

 一人暮らしは少し寂しくとも、快適です。

 でもだからといって、私は他人と暮らすのが嫌ではないし、無理ではないのだと思う。

 現代的な環境、パーソナルなスペースや時間がある程度あるのであれば、むしろ私は他人と暮らすのは好きなんだろうな、と思います。誰かと時間や行動を共有して思い出を作るのが好きなので。

 

 少し話が変わると、その親友は一人暮らしを完全に「期間限定」と捉えていました。私ならあんないい家手放したくなくなるだろうなー、と思うのですが、彼女にとっては一人暮らしはあくまで結婚までの「期間限定」のことなのです。仕事も同じように、専業主婦になるまでの「期間限定」。

 今時そんなことを思えるのはすごいな、と素直に感心するのですが、同時に自分は一人暮らしに期限があるなんて考えたことなかったな・・・とその感覚の違いに驚き、感動させられたのでした。

 

 こないだ家族が来たときは、部屋の小さなテーブルで母とご飯を食べたり、気持ちよさそうに妹がベッドでくつろいでいたり。不思議だけど悪くない、と思った。

 私はドロシーが言った、「おうちが一番」を信じて生きているから。

 期限のない一人暮らし、私は自分に思いっきりお金も時間も使って楽しむとしましょうか。

 

 

 

14歳にホームステイしてから未だにアメリカのインテリアに囚われている